福岡県内の 中規模オフィスビル(延床3,500㎡規模・テナント8社入居) における、空調機(パッケージエアコン)全系統更新に伴う 電気工事の事例 です。空調機本体メーカーの工事と並行して、当社では 電気側の動力盤改修・室外機電源系統の再配置・火災連動配線の整理 を担当し、テナント業務時間中の停電を避ける工程計画で完工しました。
ご相談内容
ビルオーナー様・管理担当者様からのご相談時の課題は以下のとおりでした。
- 既設のビル用マルチパッケージエアコンが 築20年超 で部品供給終了
- 新規高効率機への更新にあたり、既設電源容量との適合確認 が必要
- 動力盤内の 遮断器・リレー類の老朽化 も合わせて整備したい
- テナント営業時間中の停電を回避 したい(共用部・サーバー室系統)
- 既設の 配線・配線ルートを可能な限り再利用 してコストを抑えたい
現地調査の結果
更新前の電源系統と空調機の構成を整理しました。
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 空調方式 | ビル用マルチパッケージ(屋上室外機・各階室内機) |
| 室外機 | 屋上 6台(各階1台+共用部1台) |
| 室内機 | 約40台(各階執務室・会議室・共用部) |
| 動力盤 | 1階機械室、築20年超、内部リレー・接点に経年劣化 |
| 電源系統 | 高圧受電(既設キュービクル経由)/一般動力+空調動力分離給電 |
| 火災連動配線 | 既存図面と現物に一部不整合あり |
ご提案・施工内容
工程の基本方針
夜間・休日施工 と 系統別段階切替 を組み合わせ、テナント業務時間中の停電を回避する計画としました。
| ステップ | 内容 | 想定時間帯 |
|---|---|---|
| 1. 動力盤改修準備 | 既設盤内負荷一覧の整理、新規回路配線の事前敷設 | 平日昼間(停電なし) |
| 2. 室外機系統切替 | 屋上室外機ごとに新旧切替、動力盤側の回路振替 | 休日夜間×3回(系統別) |
| 3. 室内機系統切替 | 階別に室内機本体・電源線の切替 | 休日夜間×3回(階別) |
| 4. 火災連動配線整理 | 旧結線と現物の整合性確認、信号配線の再整理 | 平日夜間 |
| 5. 通電試験・確認 | 系統別の通電確認、運転電流の実測 | 平日昼夜混合 |
電気側の主な施工内容
- 動力盤改修:MCCB/コンタクタの全数更新、サーマルリレー設定値の見直し、内部結線の整理
- 新規回路追加:高効率機の起動電流上昇に対応し、一部回路の容量を増強
- 室外機電源系統の再配置:屋上機械置場のレイアウト変更に合わせて配線経路を見直し
- 既設配線の健全性確認:絶縁抵抗・温度上昇余裕を実測し、再利用可否を判定
- 火災連動配線の整理:旧結線図と現物の整合性を確認し、信号配線を再整理(制御ロジック側は施設管理会社・空調メーカーと協議の上、当方は配線工事を担当)
- 接地工事の見直し:機器更新に合わせてB種・D種接地の引き直し
テナント影響を抑える工夫
- 切替前に テナント様ごとの作業時間連絡 を実施(共用部掲示+個別通知)
- サーバー室系統は お客様既設のUPS で継続給電を確保いただいた前提で工程設計
- 切替直後の 一晩は当社技術者が現地立会い、運転状況をモニタリング
- 全切替完了後は 2週間程度の運転確認サポート を実施
結果
- テナント業務時間中の停電を回避して全系統移行を完了(停電は休日夜間に限定)
- 動力盤整備により、運転電流のアンバランス・温度上昇マージンが改善
- 火災連動配線の整理で、消防点検時の指摘事項を解消
- 既設配線・配管の再利用率を高め、機器単純更新よりトータルコストを抑制
- 引渡し後の 運用ご相談 に移行し、必要に応じて電源系統の追加検討を継続
このプロジェクトのポイント
- 空調機メーカー工事と並行する 電気側の動力盤・電源系統・火災連動配線まで一括対応
- 夜間・休日の系統別段階切替 により、テナント業務時間中の停電を回避
- 電気工事の専門会社として、既設配線健全性の実測判定 と 再利用 にこだわった工程設計
オフィスビルの空調機更新時期に差し掛かっている管理者様・オーナー様にとって、「機器更新だけ」で済ませず、電気側の経年部品も同時に整える ことで、長期的な信頼性とトータルコストの両立が図れます。
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