福岡県内の 大型オフィスビル(延床8,000㎡規模・空調セントラル方式・熱源2系統運転) における、空調熱源(吸収冷温水機)更新に伴う 電気工事の事例 です。熱源メーカーの工事と並行して、当社では 冷温水発生機の動力配線・一次/二次ポンプ盤の更新・接地工事・既設動力配線の健全性確認 を担当し、中間期を活用した段階更新で施設運用を継続しました。
ご相談内容
ビルオーナー様・施設管理会社様からのご相談時の課題は以下のとおりでした。
- 既設の 吸収冷温水機2台(熱源2系統運転) が築25年、メーカー部品供給終了
- 熱源更新と同時に、一次/二次ポンプ盤の電源側設備も老朽化 しており見直したい
- 各ポンプの 動力配線・接地 を新型機器仕様に合わせて整備したい
- オフィスとしての 冷暖房を年間通して止めたくない(特に夏期・冬期)
- 既設ポンプ・配管 はまだ使用可能なため、可能な範囲で再利用したい
現地調査の結果
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 熱源 | 吸収冷温水機 2台(夏冷房・冬暖房) |
| 一次ポンプ | 冷温水ポンプ 2台+冷却水ポンプ 2台 |
| 二次ポンプ | 各階系統別に 4台 |
| 一次ポンプ盤 | 機械室1階、築25年、内部MCCB・コンタクタ・サーマルリレーに経年劣化 |
| 二次ポンプ盤 | フロア機械室、各フロア1台、同じく経年劣化 |
| 既設動力配線 | 絶縁抵抗値は基準内、温度上昇余裕あり(再利用可と判定) |
ご提案・施工内容
工程の基本方針
冷暖房需要が低い 中間期(春・秋) を中心に、熱源1系統ずつの段階更新 を行いました。もう1系統で凌ぐことで、施設運用への影響を最小化しています。
| 工程 | 期間 | 内容 |
|---|---|---|
| 1. 事前整備 | 冬期終了直後 | 動力盤・配線の事前準備、既設盤健全性確認 |
| 2. 熱源A系統 電気工事 | 春期(中間期) | 冷温水発生機A 動力配線+一次ポンプ盤の更新 |
| 3. 二次ポンプ盤更新 | 夏期前 | 各階二次ポンプ盤の段階更新 |
| 4. 熱源B系統 電気工事 | 秋期(中間期) | 冷温水発生機B 動力配線+一次ポンプ盤の更新 |
| 5. 通電試験・確認 | 冬期前 | 全系統通電確認、運転電流の実測 |
電気側の主な施工内容
- 動力配線:冷温水発生機の更新に伴う動力配線(CVケーブル)・端子台接続、起動方式変更(Y-Δ→インバータ起動)への対応
- 一次ポンプ盤更新:MCCB/コンタクタ/インバータ/サーマルリレーの全数更新、内部結線の整理
- 二次ポンプ盤更新:各階盤を順次更新、容量再設計に基づく内部部品の選定
- 接地工事:機器更新に合わせてC種・D種接地の引き直し
- 既設動力配線の健全性確認:絶縁抵抗・端子温度の実測で再利用可否を判定
- 配線整理:機械室内の配線ルートを最適化、機器更新後のメンテナンス性を向上
営業継続のための工夫
- 熱源1系統運転 で凌げる中間期に主要工事を集中
- 切替直後の 1〜2週間は当社技術者が現地立会い、運転電流の実測値を継続モニタリング
- 既設配線・既設ポンプ等の 健全性を活かす提案 で、設備全体の更新範囲を最小化
結果
- 施設運用を止めずに全系統移行を完了(冷暖房需要のない中間期に集中施工)
- ポンプ盤・配線整備で、運転状態の安定性と保守判断が大幅に容易に
- 既設配線・既設ポンプの再利用判定により、設備全体の更新範囲を抑制
- 引渡し後の 運用ご相談・点検対応 に移行
このプロジェクトのポイント
- 熱源メーカー工事と並行する 電気側の動力配線・ポンプ盤・接地工事まで一気通貫で対応
- 中間期段階更新 により、施設運用への影響を最小化
- 電気工事の専門会社として、既設配線健全性の実測判定 と 再利用 にこだわった工程設計
オフィスビル・公共施設の熱源更新は、機器単体だけでなく 動力系統の電気工事 までを含めた総合計画が成否を分けます。中間期を活用した段階更新は、運用を止めずに大型熱源更新を実現する有効なアプローチです。
関連ページ: