中規模事務所ビルにおける、BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)導入事例です。主力ソリューションである doGATE を中心に、基本的な中央監視機能・サイネージ機能・帳票・VPN経由の遠隔監視 を一体で構築し、ビル運用の見える化と遠隔対応性を高めました。
ご相談内容
ビルオーナー様・施設管理担当者様からのご相談時の課題は以下のとおりでした。
- 設備の運転状態がローカル盤・現場機器でしか確認できず、ビル全体の状況を俯瞰 したい
- テナント・来館者向けに ロビー等で運用情報・省エネ取り組みを可視化 したい
- 日報・月報の作成が 手作業で負担、自動化したい
- 担当者が出張時・休日でも 遠隔から状態確認 したい
- 特定メーカー製品に依存せず、将来の拡張・他システム連携 が可能な構成にしたい
ご提案・施工内容
システム構成の方針
「導入の初期コストを抑えつつ、ビルオーナー・施設管理双方に必要な可視化と遠隔対応を実現する」方針で、以下の構成を提案・施工しました。
| 階層 | 内容 |
|---|---|
| 中央監視サーバー | doGATE(福岡県IoT認定の主力ソリューション) |
| 上位通信 | オープンプロトコル(BACnet等)対応 |
| 表示端末 | 管理室の監視PC+ロビーサイネージ用ディスプレイ |
| 帳票 | 日報・月報・年報を自動生成、CSV/PDF出力 |
| 遠隔接続 | VPN経由で外部から監視PCにセキュアアクセス |
機能1: 基本的な中央監視機能
doGATE 側で実装した中央監視機能は以下のとおりです。
- 状態表示:空調・照明・受変電・給排水など主要設備の運転/停止/警報を一覧表示
- 警報管理:発生/復帰/確認のステータス管理、優先度別のフィルタリング
- トレンドグラフ:温度・湿度・電力等の計測値を時系列で表示
- スケジュール運転:曜日・時刻別の自動運転制御(基本パターン)
- 積算値管理:運転時間・運転回数の自動カウント
機能2: サイネージ機能
エントランス・ロビー等に設置した大型ディスプレイで、以下を表示しました。
- 当日の電力使用量(昨対・目標比)
- 省エネ取り組みの可視化(CO2削減量・節電状況)
- 館内設備の運転状況サマリ(テナント様への安心感)
- 季節ごとの省エネメッセージ(運用啓発)
サイネージは管理室の監視PCとデータを共有し、運用情報を編集すれば自動的にロビー表示にも反映 される構成としました。
機能3: 帳票(自動生成)
手作業だった点検記録・運用報告の負担を軽減するため、以下を自動生成する機能を実装しました。
| 帳票種別 | 内容 | 出力 |
|---|---|---|
| 日報 | 主要設備の運転状況・警報履歴・電力使用量 | PDF / CSV |
| 月報 | 月次のエネルギー使用量・運用統計・警報集計 | PDF / CSV |
| 年報 | 年間のエネルギー使用量推移・更新検討項目の参考データ | PDF / CSV |
| 警報履歴 | 発生・確認・復帰のタイムスタンプ付き履歴 | CSV |
これにより、施設管理担当者様の月次レポート作成工数が大幅に削減され、省エネ報告書の素材としても活用 いただけるようになりました。
機能4: VPN遠隔監視
外出先・自宅・関連オフィスから安全にアクセスできるよう、VPN経由の遠隔監視 を整備しました。
- VPN方式:固定IPまたはダイナミックDNS+認証式のセキュアVPN
- 接続元の制限:許可端末・IPホワイトリストでアクセス制御
- 画面構成:管理室と同等の監視画面を遠隔端末で表示
- 警報通知:重大警報発生時にメール/通知で担当者へ即時連絡
- セキュリティ:通信暗号化、ログ記録、定期パスワード更新運用の提案
これにより、休日・夜間の警報や、出張中の管理判断が 現地に行かなくても可能 となり、施設運用の柔軟性が大幅に向上しました。
オープンプロトコル採用で将来拡張に備える
doGATE 側はBACnet等のオープンプロトコルに対応しているため、将来テナント増加・設備追加・他システム連携(入退室管理/エネルギー報告系SaaS等)が必要になった場合も、特定メーカーへのロックインなく拡張 できる構成です。
結果
- ビル全体の 設備運転状況・エネルギー使用状況を俯瞰可視化
- ロビーサイネージで テナント・来館者への省エネ取り組みアピール
- 帳票自動生成で 月次レポート作成工数を大幅削減
- VPN遠隔監視で 休日・夜間・出張中の運用対応 が可能に
- BACnet等オープンプロトコル採用で 将来拡張・他システム連携を確保
- 引渡し後も 保守相談・運用支援 に対応中
このプロジェクトのポイント
- 「基本的な中央監視+サイネージ+帳票+VPN遠隔監視」のパッケージで、過剰機能を抑えた 導入しやすい構成
- doGATE を中心とした統合構成で、必要な機能を一画面で網羅
- オープンプロトコル採用 で将来の拡張・他システム連携にも柔軟に対応
中規模ビルで「BEMS導入を検討しているが、まずは基本機能から始めたい」「ロビーや遠隔から運用状況を確認したい」というオーナー様・管理担当者様にとって、同様のアプローチで段階的に運用最適化を進められます。
関連ページ: